うまや屋本店

臓器擬人化創作など。

擬人化肝臓のこと

 

擬人化肝臓のこと。

 

膵臓に引き続き、キャラ解説をしていこうと思います。f:id:umayaya:20180829004035j:plain

 

今回は、――――肝臓です!!

はい、推しです!長くなります

(推しの理由は多々ありますが、生化学的に何でもやるところと、解剖学的に重厚感があるところに惚れる笑)

 

肝臓は後編の主人公、前編では準主人公という立ち位置です。

そして余談ですが、彼に関してはマイナーチェンジにとどまらないキャラデザ改変が前編→後編の間にありまして、ごめんなさいと思ってます。

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後編を描くときに、前髪の真ん中で分け目を付けて(良い意味でちょっと色っぽくしたかった)、太くて黒っぽい眉毛に(同じ消化器の膵臓も太いですし、黒い方が絵面にメリハリが出たので)しました。

 

一般的に「沈黙の臓器」と謂れているので、【まあよく喋るが、思惑などはあまり語らないキャラ像】です。

 

私が無意識に贔屓しちゃって、造血の話から物語が始まる『胎性群青』は殆ど彼の話かなと感じてます。

肝臓はとても器用な臓器で、(色々ググってくださればわかるかと思いますが、)色んな機能を持っています。

『胎性群青』の中でも物語に機能をいくつか組み込んでいて、

例えば『異物代謝』だったり、

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『蛋白生合成』だったり、

アンモニアの無毒化(尿素回路)』『糖新生』『胆汁生成』だったり…。

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他にも機能はあります。流石に全部の機能をこの物語に取り入れるのは難しかったんですけど、いろいろやっているようです、彼(笑)

 

そんな何でもできる肝臓なので、きっと不可能なことは許せないのではないかと私は考えました。

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(まあ、私の考え方の押し付けになってしまいますが、本来同人誌とはそういうものだと思ってます)

『胎性群青』以前の『備忘録』にも書いた設定なんですけど、

「肝臓は主である人間が胎児の時期には造血を行っているのに、徐々にその機能が骨髄に受け継がれ、肝臓自体はタンパクを作ったり脂質の代謝をしたり消化器の臓器として忙しくなる。」

このことを非科学的に妄想しました。

 

上手く説明できないのがすごく悔しい…。

とりあえず『胎性群青』上の肝臓が消化器に入った流れを説明致します。

 

赤血球の設計(寿命が短い)に納得できない!こんな欠陥だらけなものを作るなんてオレのプライドが許さない!オレが新しい設計を考えてやるぜ!」

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設計が上手くいかないことに気付く。

そんな折、膵臓に「消化器に来ないか?」とスカウトされ消化器に入ることを決める。

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いろんな機能を身に付ければ、いつか自分たちの都合の良いように作られた赤血球を見殺しにしなくて済む血球設計が出来るようになるかもしれない。

(肝臓にとっての希望論です。)

 

赤血球って寿命(半減期)が120日で、とっても儚くてヒロイン性の高い細胞だと思うんです。

しかも古い赤血球はどんどん処分されていく(まあ、新しい赤血球はどんどん造られるわけだし血管の中にいつまでも留まられても血管詰まるし困るので当たり前っちゃ当たり前だけど)。

ホントに他の細胞を生かすため、酸素を運ぶことだけのために作られているんだなとよく考えたりします。

そのことに関して、臓器達は後ろめたさとかないのかなって同人活動を始めた頃から考えていて、そのことを設定だけじゃなくて漫画という形に残しておこうと思い、『胎性群青』を作りました。

 

 

肝臓君は、天才発明家という設定(しかも自信家w)なので、きっと腑に落ちないかな…。

私が彼だったら、自分の力量の無さが悔しいかな…。

 

 

『備忘録』でも肝臓君は、実質臓器で唯一赤血球のことを「赤血球」と名指しします。

(ちなみに『備忘録』は健常成人の臓器がモデルです。)

他の実質臓器達は赤血球のことを「巫女様」とか「巫女」と呼ぶんですけど、彼は「巫女」とは呼びません。なんというか、ちょっとした抵抗です。自分たちの為に彼女を「巫女」として働かせていることに対する抵抗…。

 

 

そんなわけで、前編は造血器官編ですので、肝臓が赤芽球(通称ガキュたん)と生活している場面も描きました。

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ここで胆嚢のことを綴っておきたいのですが、うまく説明する文章がまだ思いつかないので、後日とします。

 

 

ちょっと長くなってしまいました、すみません。

脾臓君との関係とか、膵臓君との関係とか、他にも肝臓については色々語りたいんですけど、今日はとりあえずここまで(時間が…)

 

それではまた後日。

 

擬人化膵臓のこと

 

膵臓についてちょっと語っていきます。

あと、国語苦手なので文法変かもしれないですが、ご了承ください。

 

膵臓は少し変わった臓器でして、外分泌腺と内分泌腺を併せ持つ唯一の臓器です(多分)。

全く異なる機能を併せ持つことから、長編では《二面性》を意識して描いていきました。

 

ウチの擬人化シリーズでは【膵内分泌】という男の子キャラと、【膵外分泌】という女傑キャラと分けて描いています。でも同一人物設定です。

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『胎性群青』を描くときに、「普段は内分泌だけど、一定条件下で変身して外分泌になる」という設定を作りました。

あと、『備忘録』時点では膵内分泌がおっとり系キャラとしてデザインしていたのですが、長編のネームを描く際、二面性を意識した時に何か違うなと思い、『胎性群青』のキャラ像になりました。わかりやすくトラブルメーカーキャラです(笑)

 

膵内分泌自体、インスリンとグルカゴンという作用が正反対のホルモンを作りだしていることから、彼自体にもギャップを作ろうと心がけました。

「いつもニコニコヘラヘラしているわりに、気に入らないことがあると結構な勢いでキレるし拗ねる」

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「お調子者な性格だけど、たまに弱気になったり判断に迷ってしまう」

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劇中キャラで最も喜怒哀楽が激しく分かりやすい性格だったので、すごく描きやすかったです(笑)すごくよく動いてくれて、物語を動かしてくれました、ありがとう膵臓くん!

 

膵臓くん(膵内分泌)は、正義感が強く、自らを「消化器のリーダー」と名乗る場面があります。

これにはいくつかわけがあって、

  1. 血糖コントロールを担っていることから、チームの統制をする者に。
  2. 解剖学的に、わりと同体の真ん中に存在しているので、中心人物に。

こんな感じの理由です。

 

因みに膵臓くんのエビフライみたいな三つ編みは、膵尾部を表現しています。内分泌線は膵尾部に多いそうなので。

 

 

続いて、膵外分泌について。

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豪快な女傑キャラなんですが、バトルシーンもなく、ほぼギャグ要因(笑)

(まあ、バトル漫画じゃないしコレ…強いキャラがバトってもあまり盛り上がらないし)

彼女は登場からずっとボケ通しなので、登場最後のコマの「ああ、思春期か」というモノローグのシーンでグッと話を引き締めてくれたと思います。

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これも二面性を意識しています。他人の話を何にも聞いて無いようで、実はよく観察している、という…。

物に触れると、触れたものを溶かす能力があります。

 

 

両キャラに言える事なんですが、武器に球体が装飾してあります。

前編の膵臓君の弓には付いてないんですけど(すみません、マイナーチェンジ多くて…)、後編を描くときに、核から作り出されたタンパク(酵素などを含む)ということを表現したくて球体を付けました。核のつもりです。

 

 

 

ざっくり、膵臓に関してはこんな感じです。

膵臓君は第三の男!みたいなキャラなので、主人公みたいなハツラツとした性格だけど主人公ではないのです。

 

 

ブログでの解説、毎日更新厳しいので、休みの日に更新していこうと思います。日曜日とか。

コミティア125感想

 

先日のコミティアで臓器擬人化本を購入してくださった方、当サークルに立ち寄ってくださった方、ありがとうございました。

いつも東京ティアに参加すると周りの大手さんベテランさんに埋もれてしまい、あまり立ち読みもしてもらえないことがほとんどで、一生懸命描いたのに悔しいなあー!と感じながら帰ることが多いのですが、今回いつもの倍以上の人に自分の臓器擬人化漫画を見てもらえたんじゃないかと思っていて、すごく嬉しかったです!

評論情報ジャンルで申し込んだんですが、少年漫画ジャンルで申し込んでも良かったかなとも思いました。

 

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スペースで描いていた参加記念絵です。腎臓姉妹。

いつか腎臓姉妹の話も描いてあげたい…まあ自分の体力次第ですが。次回作は肺夫婦の少女漫画を描くと決めている(冬コミ新刊を目指してます)ので、腎臓姉妹の話を描くとしてもだいぶ先になるかな…。

 

 

頒布物の『胎性群青シリーズ』と『備忘録改訂版』とは、少し設定に差異がありまして、『備忘録』はウチの臓器擬人化のプロトタイプであると考えていただくと分かりやすいと思います。長編を描くにあたって、描きやすいように少々設定を変えたのです。

 

 

少々個人的な話になってしまうのですが、前回参加した秋ティアで出張編集部に『胎性群青・前編』を持ち込んだ時に、「地味だ」とか「盛り上がりがない」とか「セリフが教科書みたい」とか「絵が古い」とか「こういうのが見たいんじゃない」とか散々言われまして、一ヵ月ほど落ち込んでしまい、後編の原稿をやる気にもならなくなったことがありました。どうすれば自分が描きたいことが伝わるんだろうと、8か月間考え続けて、今に至ります。

 

でも『後編』で、描きたいことを描き切ったと思います。

赤脾ちゃんの登場が強引だったなという印象はありますが(冒頭に3~4頁くらい赤脾ちゃんの覚醒のくだりを入れるべきだった。でも本文初っ端で生化学工場をドカンと載せたかったんです)、それでも全力は尽くしたと思ってます。

 

熱血で泥臭い青春群像劇がすごく好きで、(セリフ回しや画力は拙いところが殆どかと思われますが、)『後編』を手にしてくれた人が読んだ時にそういう作品になってればいいなと思います。

 

次からはキャラを掘り下げて説明していこうと思います。